U 青少年教育
1 土曜日 公民館は子供たちのサロンです。〜学校週5日制事業の取り組みについて〜 福岡市筑紫丘公民館 館長 橋本 浩美

1 事業名  
 目指せ!未来の科学者「おもしろ理科クラブ」

2 事業の目的
 学校では体験できない工作や実験を通して、科学に興味を持つ子どもを育てる。身近な材料で実験や工作が出来ることに気付かせ、自然の大切さや科学の不思議にふれさせたい。

3 事業の実施主体
 筑紫丘公民館

4 連携・協力機関・団体等
 東和大学(あそびの達人教室)

5 事業予算
 市予算 132,000円  東和大学補助金 12万円  会費 1,500 ×人数分

6 実施に至る経緯
 学校5日制が始まり、子ども達の居場所づくりの一つとして「おもしろ理科クラブ」を平成10年にスタートさせました。子どもの理科離れが言われてもうだいぶ経ちます。「おもしろ理科クラブ」は子ども達の理科離れに少しでも歯止めがかけられたらという願いで始まりました。

7 プログラム作成の視点
 学校の学習とは一線を画して、楽しい、面白いをモットーに実験や観察や作業を多く取り入れた内容にしています。

8 事業の内容
@ 申込み対象者 小学校4〜6年生
A クラブのある日時 土曜日 10時〜12時 年間12回
B 会場 筑紫丘公民館 講堂
C 会費、人数 1,500円(年間) 20〜25人
D 講師 財団法人日本科学技術振興財団所属 サイエンス・レンジャー
堤 一光氏
E 18年度  おもしろ理科クラブ 年間計画 
 回 月/日 内               容
1 5/20 ・ オリエンテーション(開講式)
・ メダカの観察
〜メダカの観察とメダカの卵が変化していく様子を顕微鏡で観察します〜
2 6/10 ・ モンシロチョウの飼育観察
〜モンシロチョウの卵、幼虫、さなぎ、成虫を観察し、
チョウの人工羽化を試みます〜
3 7/29 ・ 押し花をつくる
〜電子レンジで押し花を作り、フィルムで仕上げます。
夏休みの作品にぴったりです〜
4 8/26 ・ ほのおを調べる
~ガスはパッと点火しますが、ろうそくは時間がかかります。
そのなぞに挑戦します〜
・ ジャガイモを植える
〜ひとり一人ジャガイモを植えます〜
5 9/16 ・ すべるも止まるも「まさつ」しだい(1)
〜ヘビのおもちゃ指ハブでまさつのちからをためし、
接着剤なしで金属をくっつけます〜
6 10/28 ・ すべるも止まるも「まさつ」しだい(2)
〜カップめんでホバークラフトをつくります〜
7 11/25 ・ 海はからいな、しょっぱいな(1)
なめずにわかる海水と真水の違いについて調べます。
博多湾の海水から濃い海水をつくります〜
8 12/9 ・ 海はからいな、しょっぱいな(2)
〜濃い海水から塩を取り出します。これがほんとのはかたの塩です〜
・ ジャガイモの収穫
〜ジャガイモができているかな、楽しみ〜
9 1/27 ・ 電気の秘密をさぐる(1)
〜ソーラーカーを作って太陽光のなぞにせまります〜
10 2/10 ・ 電気の秘密をさぐる(2)
〜電磁石について調べます〜
11 2/24 ・ 電気の秘密をさぐる(3)
〜マヨネーズロボットをつくります〜
12 3/10 ・ 葉脈しおりをつくる
〜「おもしろ理科クラブ」の記念に葉脈しおりをつくります〜
・ 閉講式

なめずにわかる海水と真水の違いを調べています。 モンシロチョウの人工羽化に挑戦!
「なめずにわかる海水と真水の違いを調べています。」 「モンシロチョウの人工羽化に挑戦!」

9 事業の成果
 原則的には3年間は同じ内容をしないことで、講師と事前に十分な打合せを行い実施をしているので、子ども達にとっては毎回毎回が新鮮な内容になっています。1年間終わってもまた参加したいという子どもが何人もいます。3年生は4年になったら理科クラブに入れると楽しみにしています。「不思議だな」「驚いた」という気持ちを大切にし、理科好きの子どもが一人でも増えたらと願っています。

10 今後の課題
 場所、スタッフの関係で、希望する子ども達全員を受け入れられないのが残念です。
当公民館では、5日制対応事業として「おもしろ理科クラブ」以外にも以下の事業を実施しています。
(1) 頭も行儀も良くなる、そして面白い 一石三鳥!「子ども囲碁教室」
 年間20回、全くの初心者の小学生を対象に実施。講師は地域ボランティア、参加者は10名で年間通して受講、会費無料。
(2) おとぎの世界へ「たのしいおはなし会」
 小学校3年生以下の親子を対象に実施。人形劇やお話、大型紙芝居を福岡市南図書館お話会のみなさんにお願いしています。参加者は80名前後、年2回実施しています。小さい子は楽しみにしています。会費無料。
(3) 子どもの居場所づくり「図書室開放」
 土曜日、子ども達の居場所として図書室を開放しています。「土曜日何もすることがない時には、公民館においで」と子ども達に声を掛けています。蔵書4,100冊。
(4) 子ども会活動活性化のために「子どもリーダー研修会」
 公民館主催事業以外で子ども達が主体的に公民館を利用するようにするためには、子ども会を活性化する必要があります。そのためのお手伝いとして、公民館では子どもリーダー研修会を実施し、講師にレクレーション・コーディネーターを招聘し、リーダーの心構えやレクレーションの指導など子ども達が主体的に活動するためのお手伝いをしています。

11 終わりに
 学校5日制の発足でスタートした子どもの居場所づくりですが、多くの子どもを収容するには、公民館はあまりにも狭く、またスタッフも不足しています。一過性の事業で多くの子どもを集めるのも必要ですが、年間を通してじっくり学習することも必要なことだと思います。「おもしろ理科クラブ」のように何年も続けていると、4年生になったら理科クラブに入れるという希望と期待を持たせることができます。また、土曜日は公民館に行けば、図書室で本が読めると気楽に公民館に出入りするようにもなります。これからは中学生を対象とする事業にも手を着けて公民館が幅広い子ども達のサロンになるように心掛けたいと思います。

問合せ先

筑紫丘公民館
〒815-0036 福岡市南区筑紫丘2-22-15
TEL 092-512-6477  FAX 092-512-6480
E-mail chikushigaoka 73 @ jcom.home.ne.jp

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